バンナvs鈴川がかなり話題となっております。
2日ほど経ちましたが4.28 IGF・TDCホール大会のまとめ。
バンナは“プロレス”として闘ったことになる
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“K-1番長”バンナが鈴川を血祭りKO 橋本大地は藤原組長のワキ固めに無念タップ [ スポーツナビ|格闘技|速報 ]
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何度ダウンしてもバンナに向かっていった鈴川だが、トーナメント1回戦で敗退!猪木は自粛ムードを元気で吹っ飛ばす [ バトル・ニュース]
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GENOME15 試合結果 [2011/04/28] [ アントニオ猪木 IGFプロレスリング ]
■サムライTV・中継
メインのルールについてなども含め流れをまとめる。
■IGF「東北地方太平洋沖地震復興イベントGENOME15〜苦しみの中から立ち上がれ!」
4.29 東京ドームシティホール(2988人・超満員札止め)
▼第8試合 IGFチャンピオンシップトーナメント1回戦=異種格闘技戦ルール 45分1本勝負
○ジェロム・レ・バンナ(5分39秒 KO)●鈴川真一
- 大会前日までルールが決まらず。バンナはK-1ルール、鈴川はIGFルールを主張(もともとはIGFルール)。
- バンナが来日していないという情報もあったが実際には前日の時点で日本にいた。
- 試合直前、和田良覚レフェリーから「3カウントなしの異種格闘技戦ルール、バンナは14オンスのボクシンググローブをつける」と発表(鈴川は素手)。決着はギブアップかKOのみ。45分1本勝負。
- ロープエスケープ(ブレイク)はアリ。
<試合内容>
- バンナは鈴川のハイキックをカット、タックルも止める。
- 開始してしばらくはバンナのパンチも踏み込みが浅いように見えたが、すぐに鈴川は鼻から出血。
- 開始1分、バンナの左フックでダウン。
- バンナからタックルにいき、マウントを奪いパンチを振るう場面も(すぐロープ)。
- バンナのミドルキック、フックに鈴川は連続ダウン。大量の鼻血を流し顔をしかめながらもすぐに立ち上がる。
- スタンドで組み合い、鈴川がカンヌキを狙う場面も。
- 5分経過のアナウンス直後、6度目のダウンでレフェリーストップ。
- 大会エンディングの「ダー」のあと、バンナは正座で鈴川に頭を下げる。
- 退場時に観客から鈴川コール。
<バンナの試合後コメント>
- 「彼(鈴川)は若いと思うが、ハートが強くて凄い選手だ」
- 「プロレスは八百長だという噂があるが、これは本物の闘いだと今日の試合で証明出来たんじゃないかと思う」
- 「IGFにはいつでも来るよ。ジョシュ・バーネット?やるよ、ルールはタイ・ボクシング(キックボクシング)だ、ガハハ」
<鈴川真一コメント>
- 「勉強になりましたけど、次の課題としては何かを伝えられるようなファイターになれるようにと、つくづく思いましたね」
- 横から練マザファッカーが入り「(鈴川の)闘魂が傷だらけな日本にパワー与えたってことだけは間違いねぇって話!疲れてるんだ帰るぜ、撮ってんじゃねえぜ」
<アントニオ猪木・コメント>
- 「今日はしょうがない。ちゃんとしたコーチをつけないとね。道場もできたし。頑張ったと思いますよ、(バンナの打撃は)かなり厳しいからね」
自分もサムライで試合は見ましたが…どう見てもガチンコなんですよねぇ。
攻めで鈴川のいいところは全くなし。バンナのパンチで鈴川の頭がグワンングワンと振り回される。あれでも少しは手加減してるかもしれんが、それにしたって強烈。
元パンクラスの北岡悟選手も「ガチですよね?」とツイート。
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IGFの試合見て、北岡悟が驚く [ 総合格闘技ニュースブログ NHBnews PRO ]
でもなぜか試合後のバンナはプロレス八百長説を否定するような発言。どうなっているんだ?
ナゼこうなってしまったかを読み解くのもプロレスの楽しみ方。
IGFのルール=宮戸さんの考えるプロレス、というのは「全てが決まっているわけではない、試合の流れによっては勝敗が変わることもあり得る」という形だと私は見ています。
これをバンナに説明したところ、バンナ側が理解できず「だったらガチンコでやろうぜ、じゃないと帰る」と言い出したのではないか…と想像。
ただ、一つ引っかかるのは、試合後にバンナが「プロレスが八百長でない本物の闘いであることを証明できた」と語っている点。
つまりバンナは、この試合を“プロレス”だとして納得して闘っているんですよねぇ。そこにIGF側とどんな言葉のやりとりがあったのかが、なかなか想像できません。
これ、ポジティブなヤオガチ話でもあるし、どこかの雑誌で聞けないかなぁ~と期待してしまう。宮戸さん怒るかな?
完敗ではありましたが、鈴川選手の頑張りは興奮させられました。
ガチであってもアレであっても闘う姿勢が変わらない。格好だけじゃなく根性入ってます。
何らかの事情でバンナと真っ向勝負をしなければならなくなって、それでもビビった様子をまったく見せず闘い抜いたのは立派です。
あとは…通常のIGFルールでも、面白い試合ができればいいのですが(笑)。
でも、目が離せない存在になったのは間違いないですね。
この日は八百長問題で解雇された力士も観戦。
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アントニオ猪木拍子抜け! 八百長関与力士はプロレス転向に否定的 [ 格闘技 - リアルライブ ]
3人来場も全員プロレス転向は否定。
これも「鈴川vsバンナの激闘を見て、ビビってたじろいでしまったんだ!」と書きかえられちゃうかも。でもプロレスって、予期せぬ出来事すらも「筋書き」にしてしまう魔力がありますよね。
ボブ・サップ、惨敗
そのほかの試合など。
GENOME15
- 福島県いわき市から被災者を20数名招待。
- 宮戸優光が初じめてレフェリーとして登場。
- 第1試合のタッグマッチ「鈴木秀樹&定アキラvsタカ・クノウ&澤宗紀」が緊張感ある激しい試合に。
- 猪木劇場が凄まじかった→(スポナビ)。
- 猪木「津波は去ったが藤波はいる、藤波出てこい!」「村は消えたが木村はいる、木村出てこい!」「原発事故はチョーノーリョクでなんとかしよう、蝶野!」
- 突然、3人にキャンディーを渡す。客席から「キャンディーズか!」と声が飛ぶと満面の笑みで「そう!」
- ボブ・サップはキックボクシングルール(ガチンコ)で角谷正義に完敗。試合序盤はダッシュで突っ込むも、途中から泣き顔になり、セコンドに何かを訴えタオル投入。ほぼ試合放棄。
- 崔vs澤田、両者が脊髄へのエルボーを連発(IGFでは反則)、両軍セコンド入り乱れ無効試合。
- IGFチャンピオンシップトーナメントは、ジョシュ・バーネット、ジェロム・レ・バンナ、ボビー・ラシュリーの3人が2回戦へ。
- 大会直前に顔面を負傷したという猪木、見た目にはそれほど外傷はなかった。よく見ると、右目がやや黒いようにも見えたが…。
ボブ・サップはいよいよ使い道がなくなってきた。DDTの「ボブゲーム」に影響が出てくるのではないかと思うほどの大惨敗。相手の角谷正義もキックの実績はそれほどありません。かつてK-1で主役だった男も、ここまで落ちた…。
第1試合のタッグマッチが好試合。澤選手が負けてしまったのは残念ですが、IGFの若手もだいぶ成長してきた。
試合の展開が速く、打撃はバッチバチ。
フィニッシュ前に放った鈴木のダブルアーム・スープレックスは、鈴木自身も飛び上がって投げるあまり見ない形。迫力あってフィニッシュとしても使えそう。
試合後は4人とも顔面から流血してました。
ただ、鈴川選手もそうなんですが、IGFの試合は“掌底”を中心とした攻防が多く、ヘビー級が顔面をバッコンバッコンと張り続ける展開はダメージが心配になりますね。
宮戸さんに言わせれば、「よける技術を身につければいいんだ」と返されそうだけど。
まぁ、いろいろ言われますが、ある意味「プロレスの幅を広げている」という試合もあるし、そういう試みにチャレンジする団体は大好きです。
やっぱり鈴川真一という人材が加わったことが大きいなぁ。小川直也とエースが入れかわったタイミングも奇跡だ。
こちらもどうぞ。
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IGFに感じた昔の新日本の匂い [ maikai ]