2014-10-28
プロレス見るしか能の無かった俺が視覚障害者になって2年、目が悪くなってから初めてプロレス観戦に行ってみました
2014年10月18日、みちのくプロレス・新木場1stRING大会を観戦してきました。
会場での生観戦は、2012年10月20日のみちのくプロレス・新木場1stRUNG大会以来、ほぼ丸2年ぶりになります。
もう1週間以上経ってしまいましたが、観戦した際に速報するか観戦記を書くのは自分の中で決まり事としていたので今更ながらupします。
また観戦記を書くにあたり、目のことにどこまで触れるか悩みましたが…今回は、もう全部ありのままに書いてしまうことにしました。重く感じるかもしれませんがご勘弁を。
2012年10月中旬、突如、右目の真ん中に白いモノがポツンと見え始めました。
もともと緑内障と白内障があり、眼科には通っていましたが…こんなことは初めて。
症状は日に日に悪化。眼内液の圧力を指す「眼圧」が異常な数値に。11~20で正常なところ、最悪の時期は「70」まで上昇。
更に右目に続き左目にも同じ症状が出始める。両目がおかしくなり、2012年12月末に文字が完全に読めなくなってしまいました。異常発生から3ヶ月、あっと言う間です。
正直、この頃は精神的にキツく、失明の恐怖と闘う日々が続いていました。
この2年間で右目の緑内障手術を2回、左目の緑内障手術を1回、左目の白内障手術を1回しています。
今年行った右目緑内障の手術が効果あったようで、現在は眼圧の数値も落ち着き、見え方も最悪の頃に比べれば随分良くなりました。
ただ、緑内障により欠けてしまった視野は治りませんし、相変わらず文字も読むことはできません。2013年12月に障害者手帳をいただき、視覚障害者となりました。
不便なことは多いものの、取りあえず外出は出来ているし、パソコンやiPadを使うことで情報収集はなんとかなっています。テレビも画面に近づけばそれほど問題なく見られてます。なので、プロレスを楽しむこと自体はできていました。
自分は自分でもちょっとヤバイんじゃなかろうかというほどのプロレス・バカです。好きな選手や団体はありますが、それ以上にプロレスというジャンルそのものに興味があります。
「プロレスは底が丸見えの底なし沼」とはI編集長の有名な言葉ですが、本当にその通りで、何年見てもハッキリとしたその正体や正解というものが掴めません。だからこそ、見る側のスタンスによっては永遠に楽しむことができるジャンルです。「プロレスは卒業するもの」という人もいますが、一つ壁を越えてしまえば、どこまでも見続けられるモノだと思ってます。
プロレスのそういうところが大好きで、自分も一生見続けるのだろうなぁと2年前までは思っておりました。
病気前の自分は年間50ほどの大会を観戦していました。多いときで100前後ぐらい(ちなみにプロレスファンにすれば、それほど多い数字ではありません)。そんな自分が2年間、観戦ゼロに。目が悪いのだから観戦は難しい。後で詳しく書きますが、遠くは見えないし視界も欠けている。暗いところもなるべくなら避けたい。まぁ普通に考えて無理です。
TVでは見ていたし、ブログは休止したものの、Twitterでのプロレスニュース拾いを継続したことで、プロレスを楽しんでいる、追っているという気持ちはありました。とはいえ、やはりやっぱり物足りなさは間違いなくある。
目の調子が良かったことと、ちょうど2年前に観戦したみちのく・新木場10月大会が行われるということで、観戦してみようか、という気分になりました。気を遣って友人がプロレスに誘ってくれても、断り続けていたのも申し訳なく思ってまして、それも大きかったかもしれません。
目の調子が良いと言っても、普通に試合が見られるわけはない。だいたいの想像はできていました。近所の大きめ公園のベンチに座り、「後楽園なら、あの辺がリングだろう」なんて想像してみたり。遊んでる子供をレスラーとしてどのぐらい見えるか…って、完全に不審者(笑)。よく捕まらなかったものだ。
見えないにしても会場へ行けば何か違うかもしれないし、感じるものもあるだろう。逆に見えないことで強いストレスをためることになるかもしれない。
行くと決め手以降は深く考えず、ぼんやり希望と不安を持って観戦へ挑んだわけです。実際、予想外のことも幾つかありました。
この会場、プロレス会場としてはちょっと暗め。でもフロア側は段差も少なく、意外と問題なく移動できた。ひな壇状になっている客席も、階段は段差ごとの目印(スベラーズ的なアレ)もあるし問題ない。
新木場1stRINGのキャパは約300人。自分の座った席は後方だったがリングまでは近い。
しかし、見慣れた光景のはずなのに、やはりどこか違和感はある。
興行スタート。
ここで、自分の目にはリングがどう見えているかを画像で再現してみます。
視線はリングの真ん中。
通常。↓
自分の目に映っている絵。↓
完全に再現はできていませんが、だいたいこんな感じ。
まず、目の真ん中には常に白い穴が空いているように感じる。緑内障で視野が欠けた箇所。この部分は全く見えません。目の真ん中、つまりは焦点を合わせる部分が見えないため、文字など細かいモノが見えません。両目とも目の中央が欠けています。右目は目の左ほぼ半分も欠けています。
画像では綺麗な楕円になっていますが、実際の境界線はもっとボンヤリしています。画像加工でうまく再現できませんでした。
あと、全体的に見え方が暗いというか、「薄い」です。更にモヤや霧が常にかかっているような感じ。中央の欠けている部分以外もハッキリとは見えません。この見え方の薄さ・暗さは目の調子によって変わります。数時間ごとに変化する場合もあります。また、調子が悪いときは色がはっきり分からなくなります。普通の調子でも見えていない色があるっぽいのですが、自分で確認する術がありません。
この状態でプロレスを見るには、「見たい」と思うところと一つ視点をずらして、白い穴の脇から見ることになります。
※この見え方は私の見え方です。視覚に障害のある方の見え方は、百人いたら百人違うと思います。緑内障の人、全てがこの見え方ではないので注意を。
観戦していて気づいたことを箇条書き。
■スタンドの攻防は何とか分かった。
完全には見えないものの、足を止めてのエルボー、チョップ合戦とか、ロープワークとか、投げ技とか、立ちから始まる攻防はだいたい分かりました。細かくは見えないので、例えばラリアットとアックスボンバーの違いなんてのは分からないでしょうね。
これは全体的に言えるのだけど、自分は腐るほどプロレスを見ているわけで、なんとなく頭の中で動きの予測がつくのですよ。たぶん皆さんも気づかないうちにそうなってると思います。
予測がつくことで脳内で映像が補正されるようです。逆に言うと、予測を超えるような動きをされた場合、理解できないかもしれない。そういう攻防こそ生のプロレスを見るうえで重要なんですけどね、このマイナスは痛いかもしれない。
■寝技が全くと言っていいほど分からなかった
これは予想外でした。寝技になると何をやっているか全然分かりませんでした。動きは少ないのだから見やすいんじゃないかと予想してたんですが…いやあ、どこがどう絡まってるのか、極めているのか全くわからない。
どのぐらい見えていないかと言うと、ボストンクラブとキャメルクラッチを間違えていましたね(笑)。ちょっとこれはショックでした。テレビで見る分にはちゃんと見えているのですけど。
リングを見る距離・角度によっては違ってくるかもしれないので、いろいろ試してみるつもり。
■空中殺法が一番良く見えた
これも意外でした。プランチャやダイビング技はほとんど分かりました。スピードが必要な攻防なので見づらいかな?との予想ははずれ。考えてみれば、飛んでる間は止まっているように見えますよね。プロレスの技はよくできてる。
ケンドーの58歳とは思えない場外ダイブもフォームまでハッキリ確認できました。
■当たり前だが「音」は伝わる。
見え方を補正する効果として「音」はメチャクチャ大きい。フジタJrハヤト選手のキックは他選手と比べ音の質・大きさ・響き賀全く違う。観客のドヨメキも加わり凄さが伝わります。
まぁプロレスは音を大きくする技術というか、裏技もあるんですけどね。でも、その辺は自分のプロレス観戦キャリアからすれば聞き分けられる自信があるぞ!…って、なんだそれw
■場外乱闘は恐い(笑)
この日のメインに登場したバラモン兄弟は、おそらく現在の日本プロレスにおいて最も観客に直接被害を与えているレスラー。昔ならスタン・ハンセンのブルロープで叩かれた…なんてことありましたが、今は規制が厳しく観客に被害が出るようなことはほとんどない。でもバラモン兄弟は特別。無差別に客席へ水をぶちまけます。
この日も自分の数メートル先で大暴れ。もう場外乱闘になると何が何やら全く見えない。そんな中で蹴散らされているであろうイスのカチャカチャ音と観客の悲鳴が渦巻き続ける。
こ、恐い…(笑)。場外乱闘にこれだけ恐怖したのはいつ以来か。
なぜバラモン登場の大会を観戦復帰の場に選んでしまったのか…って、まぁ大好きな選手なんですよね(笑)。
自分の身は自分で守らないと仕方ない。下手に逃げて転んだりしないようにとはしてました。
そのほか、まぁ全体的に細かいことが分からないのですよね。
選手の表情、分かりません。それどころか、見慣れないコスチュームだと試合途中で誰が誰だか分からなくなる。
カメッシーが連れてきた(?)、小さなカメ・カメゴロウも全然分からなかったし、サスケの連れてきたミゼット?マスクマンも途中まで気づかなかったですねぇ。
かめごろう
前にも書きましたが、予備知識があるので、何となくでも何をやっているかは分かるのだけど、新しいことが起こると対応できない。致命的と言えば致命的な問題かもしれません。
普段の試合ぶりと違う点を見つけ、そこから想像を膨らましていくのがプロレスの一つの見方です。それがおそらく難しい。
普通に見るのと比べると、楽しめた割合は…6~7割ぐらいですかねぇ。
メラニー・クルーズ vs ヤッペーマン3号。
一目瞭然、身体の大きさが全然違う。全ての攻防が分かりやすく、自分も理解できました。
そして2人のレスラー共に自分の個性に合った動きを常に強調しながら闘う。
大きい選手は体格で圧倒し、小さい選手は技術と小技で勝負する。説明無くても一目で観客に伝わるテーマ、それに沿った形で2人がプロレスらしいプロレスを繰り広げる。面白かったですね。まぁ普通の観客にはなんてことない試合でしょう。でも自分にとっては、違和感がそれほどない中で試合の流れに合わせられ、満足というか、納得できたことに喜びがありました。
また、それが第2試合だったというのも嬉しい。
生観戦でなければ見過ごしていた試合かもしれない。“ライブ”には何か予期せぬモノがあるのです。間違いなく。
そういや、宇宙大戦争ってサスケが何かしらの映画作品をモチーフとして予告するのが恒例なんだが…それも無かった。
「大丈夫か、今年の宇宙大戦争!」…と文句つけられるのも金を払って見た人間の特権(笑)。
テレビ観戦で引っかかっていたものが解けていく感じ。「PPVなら変わらないんじゃない?」とか言わないでw
なんだかんだで楽しんでしまいました。
大会後は、大井町まで移動し串揚げ屋で一杯。
自分にとってプロレス観戦と居酒屋はパック。欠かせない。
久々の観戦でテンション上がったのかベラベラしゃべりまくっちゃいましたね(笑)。いや、スッーとしました。
2年ぶりに生観戦して「楽しかったか、楽しくなかったか」と聞かれれば、そりゃかなり楽しかったのは間違いない。
久々の観戦だし、客席に座っていること自体に興奮していました。
ただ、予想はしていましたが、見て分からないことが重なればストレスは溜まっているはずで。今回は久々観戦だから ストレスより興奮が勝つ。今後どうかな、というのが不安。それがあるから観戦復帰も踏み切れないとこありました。
非日常のはずのプロレスで日常と同じストレスを増やすのはどうなんだか。
まぁ、でも、選択の余地はないのです。もう自分はプロレスを見続けていくと決めたのです。
…単なる趣味に何を言っているんだ、お前は(笑)。それより、この先どうやって生きていくんだ!
いや、もう全部やりますよ。一つずつ取りかかっていきますよ。普通の人より時間かかるけどやっていきます。
そう、自分は何をするにも時間がかかる、だから観戦記書くのが大会から10日後になったのだ!(言い訳)。
いろいろ思うところはありますが、観戦に踏み切ったことで、一歩前進した感じは間違いなくありました。この気持ちは大事にしないと。
プロレスは敗者にもスポットが当たるジャンル。自分は敗者じゃないけど、まぁ耐えて逆襲するストーリーを見続け、頭に擦り込んでいけばポジティブに思考する癖もつくかもしれない(笑)。良い薬になるはずだ。
今後も観戦行きますよ。
ただ、会場や席種は選ばなければいけないでしょうね。大きな会場でも高い席を買えば問題ないのだが…金無いしなぁ(笑)。昔から、一番安い席で数多く興行を見るのが習慣になっているもので。
まぁいろいろ考えます。
後楽園ホールのバルコニーで観戦してみたいんですよね。リングまでの距離も近いし、見下ろしてどうかも確認したい。あと天井のライトが近いので明るいだろう、との予想もある。
場内実況のある団体もあるし、体感することが大事なデスマッチも見てみたい。
こういう時は、自分が見る団体の幅が広くて良かったなぁと思いますね(笑)。
今後は体調と相談しながらいろいろやっていくつもりです。
誤字脱字あればご指摘してください。その方が助かります。多すぎて指摘しきれない場合は「誤字が多いぞ」と一言お願いします。全部見直します。
■ みちのくプロレスオフィシャルサイト:大会結果
会場での生観戦は、2012年10月20日のみちのくプロレス・新木場1stRUNG大会以来、ほぼ丸2年ぶりになります。
もう1週間以上経ってしまいましたが、観戦した際に速報するか観戦記を書くのは自分の中で決まり事としていたので今更ながらupします。
また観戦記を書くにあたり、目のことにどこまで触れるか悩みましたが…今回は、もう全部ありのままに書いてしまうことにしました。重く感じるかもしれませんがご勘弁を。
自分は両目が緑内障です
ここで病気になった経緯などをおさらい。ブログ読者には繰り返しとなってしまいます。たぶん、この先は滅多にしないと思うのでお許しを。2012年10月中旬、突如、右目の真ん中に白いモノがポツンと見え始めました。
もともと緑内障と白内障があり、眼科には通っていましたが…こんなことは初めて。
症状は日に日に悪化。眼内液の圧力を指す「眼圧」が異常な数値に。11~20で正常なところ、最悪の時期は「70」まで上昇。
更に右目に続き左目にも同じ症状が出始める。両目がおかしくなり、2012年12月末に文字が完全に読めなくなってしまいました。異常発生から3ヶ月、あっと言う間です。
正直、この頃は精神的にキツく、失明の恐怖と闘う日々が続いていました。
この2年間で右目の緑内障手術を2回、左目の緑内障手術を1回、左目の白内障手術を1回しています。
今年行った右目緑内障の手術が効果あったようで、現在は眼圧の数値も落ち着き、見え方も最悪の頃に比べれば随分良くなりました。
ただ、緑内障により欠けてしまった視野は治りませんし、相変わらず文字も読むことはできません。2013年12月に障害者手帳をいただき、視覚障害者となりました。
不便なことは多いものの、取りあえず外出は出来ているし、パソコンやiPadを使うことで情報収集はなんとかなっています。テレビも画面に近づけばそれほど問題なく見られてます。なので、プロレスを楽しむこと自体はできていました。
自分は自分でもちょっとヤバイんじゃなかろうかというほどのプロレス・バカです。好きな選手や団体はありますが、それ以上にプロレスというジャンルそのものに興味があります。
「プロレスは底が丸見えの底なし沼」とはI編集長の有名な言葉ですが、本当にその通りで、何年見てもハッキリとしたその正体や正解というものが掴めません。だからこそ、見る側のスタンスによっては永遠に楽しむことができるジャンルです。「プロレスは卒業するもの」という人もいますが、一つ壁を越えてしまえば、どこまでも見続けられるモノだと思ってます。
プロレスのそういうところが大好きで、自分も一生見続けるのだろうなぁと2年前までは思っておりました。
病気前の自分は年間50ほどの大会を観戦していました。多いときで100前後ぐらい(ちなみにプロレスファンにすれば、それほど多い数字ではありません)。そんな自分が2年間、観戦ゼロに。目が悪いのだから観戦は難しい。後で詳しく書きますが、遠くは見えないし視界も欠けている。暗いところもなるべくなら避けたい。まぁ普通に考えて無理です。
TVでは見ていたし、ブログは休止したものの、Twitterでのプロレスニュース拾いを継続したことで、プロレスを楽しんでいる、追っているという気持ちはありました。とはいえ、やはりやっぱり物足りなさは間違いなくある。
目の調子が良かったことと、ちょうど2年前に観戦したみちのく・新木場10月大会が行われるということで、観戦してみようか、という気分になりました。気を遣って友人がプロレスに誘ってくれても、断り続けていたのも申し訳なく思ってまして、それも大きかったかもしれません。
目の調子が良いと言っても、普通に試合が見られるわけはない。だいたいの想像はできていました。近所の大きめ公園のベンチに座り、「後楽園なら、あの辺がリングだろう」なんて想像してみたり。遊んでる子供をレスラーとしてどのぐらい見えるか…って、完全に不審者(笑)。よく捕まらなかったものだ。
見えないにしても会場へ行けば何か違うかもしれないし、感じるものもあるだろう。逆に見えないことで強いストレスをためることになるかもしれない。
行くと決め手以降は深く考えず、ぼんやり希望と不安を持って観戦へ挑んだわけです。実際、予想外のことも幾つかありました。
自分の目にリングはこう見えている
大会開始は午後7時。新木場駅(改札増えたかな?)から街灯の少ない真っ暗な道を若干ビビリながら通り、新木場1stRINGへ。この会場、プロレス会場としてはちょっと暗め。でもフロア側は段差も少なく、意外と問題なく移動できた。ひな壇状になっている客席も、階段は段差ごとの目印(スベラーズ的なアレ)もあるし問題ない。
新木場1stRINGのキャパは約300人。自分の座った席は後方だったがリングまでは近い。
しかし、見慣れた光景のはずなのに、やはりどこか違和感はある。
興行スタート。
ここで、自分の目にはリングがどう見えているかを画像で再現してみます。
視線はリングの真ん中。
通常。↓
自分の目に映っている絵。↓
完全に再現はできていませんが、だいたいこんな感じ。
まず、目の真ん中には常に白い穴が空いているように感じる。緑内障で視野が欠けた箇所。この部分は全く見えません。目の真ん中、つまりは焦点を合わせる部分が見えないため、文字など細かいモノが見えません。両目とも目の中央が欠けています。右目は目の左ほぼ半分も欠けています。
画像では綺麗な楕円になっていますが、実際の境界線はもっとボンヤリしています。画像加工でうまく再現できませんでした。
あと、全体的に見え方が暗いというか、「薄い」です。更にモヤや霧が常にかかっているような感じ。中央の欠けている部分以外もハッキリとは見えません。この見え方の薄さ・暗さは目の調子によって変わります。数時間ごとに変化する場合もあります。また、調子が悪いときは色がはっきり分からなくなります。普通の調子でも見えていない色があるっぽいのですが、自分で確認する術がありません。
この状態でプロレスを見るには、「見たい」と思うところと一つ視点をずらして、白い穴の脇から見ることになります。
※この見え方は私の見え方です。視覚に障害のある方の見え方は、百人いたら百人違うと思います。緑内障の人、全てがこの見え方ではないので注意を。
空中殺法がよく見えたのは意外だった
このブログ記事は「観戦記」のはずですが、もう、興行の内容は他の方に任せ…ここでも「見え方」について書いていきます。観戦していて気づいたことを箇条書き。
■スタンドの攻防は何とか分かった。
完全には見えないものの、足を止めてのエルボー、チョップ合戦とか、ロープワークとか、投げ技とか、立ちから始まる攻防はだいたい分かりました。細かくは見えないので、例えばラリアットとアックスボンバーの違いなんてのは分からないでしょうね。
これは全体的に言えるのだけど、自分は腐るほどプロレスを見ているわけで、なんとなく頭の中で動きの予測がつくのですよ。たぶん皆さんも気づかないうちにそうなってると思います。
予測がつくことで脳内で映像が補正されるようです。逆に言うと、予測を超えるような動きをされた場合、理解できないかもしれない。そういう攻防こそ生のプロレスを見るうえで重要なんですけどね、このマイナスは痛いかもしれない。
■寝技が全くと言っていいほど分からなかった
これは予想外でした。寝技になると何をやっているか全然分かりませんでした。動きは少ないのだから見やすいんじゃないかと予想してたんですが…いやあ、どこがどう絡まってるのか、極めているのか全くわからない。
どのぐらい見えていないかと言うと、ボストンクラブとキャメルクラッチを間違えていましたね(笑)。ちょっとこれはショックでした。テレビで見る分にはちゃんと見えているのですけど。
リングを見る距離・角度によっては違ってくるかもしれないので、いろいろ試してみるつもり。
■空中殺法が一番良く見えた
これも意外でした。プランチャやダイビング技はほとんど分かりました。スピードが必要な攻防なので見づらいかな?との予想ははずれ。考えてみれば、飛んでる間は止まっているように見えますよね。プロレスの技はよくできてる。
ケンドーの58歳とは思えない場外ダイブもフォームまでハッキリ確認できました。
■当たり前だが「音」は伝わる。
見え方を補正する効果として「音」はメチャクチャ大きい。フジタJrハヤト選手のキックは他選手と比べ音の質・大きさ・響き賀全く違う。観客のドヨメキも加わり凄さが伝わります。
まぁプロレスは音を大きくする技術というか、裏技もあるんですけどね。でも、その辺は自分のプロレス観戦キャリアからすれば聞き分けられる自信があるぞ!…って、なんだそれw
■場外乱闘は恐い(笑)
この日のメインに登場したバラモン兄弟は、おそらく現在の日本プロレスにおいて最も観客に直接被害を与えているレスラー。昔ならスタン・ハンセンのブルロープで叩かれた…なんてことありましたが、今は規制が厳しく観客に被害が出るようなことはほとんどない。でもバラモン兄弟は特別。無差別に客席へ水をぶちまけます。
この日も自分の数メートル先で大暴れ。もう場外乱闘になると何が何やら全く見えない。そんな中で蹴散らされているであろうイスのカチャカチャ音と観客の悲鳴が渦巻き続ける。
こ、恐い…(笑)。場外乱闘にこれだけ恐怖したのはいつ以来か。
なぜバラモン登場の大会を観戦復帰の場に選んでしまったのか…って、まぁ大好きな選手なんですよね(笑)。
自分の身は自分で守らないと仕方ない。下手に逃げて転んだりしないようにとはしてました。
そのほか、まぁ全体的に細かいことが分からないのですよね。
選手の表情、分かりません。それどころか、見慣れないコスチュームだと試合途中で誰が誰だか分からなくなる。
カメッシーが連れてきた(?)、小さなカメ・カメゴロウも全然分からなかったし、サスケの連れてきたミゼット?マスクマンも途中まで気づかなかったですねぇ。
かめごろう
前にも書きましたが、予備知識があるので、何となくでも何をやっているかは分かるのだけど、新しいことが起こると対応できない。致命的と言えば致命的な問題かもしれません。
普段の試合ぶりと違う点を見つけ、そこから想像を膨らましていくのがプロレスの一つの見方です。それがおそらく難しい。
普通に見るのと比べると、楽しめた割合は…6~7割ぐらいですかねぇ。
この日の自分的ベストバウト
この日の大会で、目の悪い自分から見て「ベスト」だった対戦は第2試合。メラニー・クルーズ vs ヤッペーマン3号。
一目瞭然、身体の大きさが全然違う。全ての攻防が分かりやすく、自分も理解できました。
そして2人のレスラー共に自分の個性に合った動きを常に強調しながら闘う。
大きい選手は体格で圧倒し、小さい選手は技術と小技で勝負する。説明無くても一目で観客に伝わるテーマ、それに沿った形で2人がプロレスらしいプロレスを繰り広げる。面白かったですね。まぁ普通の観客にはなんてことない試合でしょう。でも自分にとっては、違和感がそれほどない中で試合の流れに合わせられ、満足というか、納得できたことに喜びがありました。
また、それが第2試合だったというのも嬉しい。
生観戦でなければ見過ごしていた試合かもしれない。“ライブ”には何か予期せぬモノがあるのです。間違いなく。
それでも生観戦は、良いね
メインで勝利した「ムーの太陽(ザ・グレート・サスケ&バラモン兄弟)」は、プロレス界で屈指のキテレツ年間行事「宇宙大戦争」のアレコレをマイクでやり合う。これがどうにも歯がゆい感じで(笑)、「本当に何も決まっていないんじゃないか?」と思わせるほど危うかった。こういう文字だけでは伝わらないニュアンスまで届いてくるのがライブの良さです(笑)。そういや、宇宙大戦争ってサスケが何かしらの映画作品をモチーフとして予告するのが恒例なんだが…それも無かった。
「大丈夫か、今年の宇宙大戦争!」…と文句つけられるのも金を払って見た人間の特権(笑)。
テレビ観戦で引っかかっていたものが解けていく感じ。「PPVなら変わらないんじゃない?」とか言わないでw
なんだかんだで楽しんでしまいました。
大会後は、大井町まで移動し串揚げ屋で一杯。
自分にとってプロレス観戦と居酒屋はパック。欠かせない。
久々の観戦でテンション上がったのかベラベラしゃべりまくっちゃいましたね(笑)。いや、スッーとしました。
2年ぶりに生観戦して「楽しかったか、楽しくなかったか」と聞かれれば、そりゃかなり楽しかったのは間違いない。
久々の観戦だし、客席に座っていること自体に興奮していました。
ただ、予想はしていましたが、見て分からないことが重なればストレスは溜まっているはずで。今回は久々観戦だから ストレスより興奮が勝つ。今後どうかな、というのが不安。それがあるから観戦復帰も踏み切れないとこありました。
非日常のはずのプロレスで日常と同じストレスを増やすのはどうなんだか。
まぁ、でも、選択の余地はないのです。もう自分はプロレスを見続けていくと決めたのです。
…単なる趣味に何を言っているんだ、お前は(笑)。それより、この先どうやって生きていくんだ!
いや、もう全部やりますよ。一つずつ取りかかっていきますよ。普通の人より時間かかるけどやっていきます。
そう、自分は何をするにも時間がかかる、だから観戦記書くのが大会から10日後になったのだ!(言い訳)。
いろいろ思うところはありますが、観戦に踏み切ったことで、一歩前進した感じは間違いなくありました。この気持ちは大事にしないと。
プロレスは敗者にもスポットが当たるジャンル。自分は敗者じゃないけど、まぁ耐えて逆襲するストーリーを見続け、頭に擦り込んでいけばポジティブに思考する癖もつくかもしれない(笑)。良い薬になるはずだ。
今後も観戦行きますよ。
ただ、会場や席種は選ばなければいけないでしょうね。大きな会場でも高い席を買えば問題ないのだが…金無いしなぁ(笑)。昔から、一番安い席で数多く興行を見るのが習慣になっているもので。
まぁいろいろ考えます。
後楽園ホールのバルコニーで観戦してみたいんですよね。リングまでの距離も近いし、見下ろしてどうかも確認したい。あと天井のライトが近いので明るいだろう、との予想もある。
場内実況のある団体もあるし、体感することが大事なデスマッチも見てみたい。
こういう時は、自分が見る団体の幅が広くて良かったなぁと思いますね(笑)。
今後は体調と相談しながらいろいろやっていくつもりです。
誤字脱字あればご指摘してください。その方が助かります。多すぎて指摘しきれない場合は「誤字が多いぞ」と一言お願いします。全部見直します。
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カテゴリ: ブラックアイ2 | 2014-10-28 | 投稿者:杉