2007-06-23
ひとり 相撲
vs透明人間のルーツ?
「ホウキが相手でもプロレスができる」と語られたのはアントニオ猪木だが、「脚立」や「イス」といった「無機物」と闘うスタイルはDDTなどを中心に今やすっかり定着してしまった。ダッチワイフが進化したレスラー「ヨシヒコ」にリック・フレアーが驚愕したという伝説?もあったりなかったり。「モノ」を超越する対戦相手として、「透明人間」なる“選手”も存在するDDT入団前の男色ディーノが「クラウン」という団体で「透明人間ミステロン」と名勝負を繰り広げ一部で話題になった(ディーノがスクールボーイで負け)。
最近では、「ますだまつり」において「自分vs自分の中に存在するもう一人の自分」という同系統の試合も行われた(フィッシャーマンズ・バスターでもう一人の自分が勝利)。
今風?に言えば「エアプロレス」。まぁ、そう言っちゃわないところがヨイんだろうが。
この「透明人間」、もしくはそれに近い相手と闘う“格闘技”が日本には古くから存在する。600年前から。
ひとり相撲 (一人角力)
例えとしての「ひとり相撲」ではなく、一人で組み合う相撲。
数週間前に放送された「世界一受けたい授業」の江戸文化特集で紹介されていました(HDに録画しっぱなしで最近見たw)。
辞書にもシッカリ載っている。
Yahoo!辞書 - ひとり‐ずもう【一人相撲・独り相撲】
ひとり‐ずもう〔‐ずまふ〕【一人相‐撲/独り相‐撲】
1 二人で相撲をとっているような所作を一人でしてみせること。また、その芸。神事・大道芸として行われた。
2 相手がないのに自分だけで気負い込むこと。また、実りのない物事に必死で取り組むこと。「むなしい―をとる」
番組では「ひとり相撲」にも2つのスタイルがあると紹介されていた。
(1)エンターテイメントとしてのひとり相撲
江戸時代に「見せ物」の一つとして行われていた形。
一人の男が力士役を演じ(おそらく本物の力士ではない)、見えない相手と対戦する。
対戦前に、「どちらが勝つか」と観衆に賭けをさせ、儲けが多く出る方に勝たせる。客も「ひとりでやっている」というのを知っていて賭けをするわけで・・・シャレが分かる人が江戸時代には多かったんですねー。
「分かっていても突っ込んじゃいけない」、今の無機物プロレスに近いものを感じます。
(2)神への儀式としてのひとり相撲
愛媛県大山祇神社で行われている相撲神事。
力士が「稲の精霊」と闘い、その年の豊作を占う。取り組みは3本勝負で行われ、“必ず”2勝1敗で精霊が勝利する。
一説には貞治3年(1364年=室町時代!)から行われていたともされる。600年以上の歴史があるとは驚き。
「相撲」自体が神事として行われていたのは皆さんもご存じのことでしょう。
いわゆるプロレスも“神への儀式”として行われていた“闘い”を起源とする説がある。
ただ、「ひとり」で闘うスタイルがあるのかは分からない…。
なんにしても貴重。
ちなみに、この「ひとり相撲」は現在も行われています。
ひとりで組み合う。
精霊の「投げ」で見事にぶっ飛ぶ。
これを600年前かたやっていた・・・。
今、検索して調べたら・・・つい先日の6月19日に大会?が行われていた。1年に1回(もしかしたら1年に2回かも)だってのに…。どうせなら、開催前に記事upすれば良かったな・・・。
こちらに↓画像あります。
なおの撮影日記 大山祇神社御田植祭
ニュースにもなってます。TVでも流れたのかな?
asahi.com:愛らしい早乙女-マイタウン愛媛
結構有名なんですね。
大山祇神社 - Wikipedia
1984年に一旦途切れるも平成2年に中学生の手によって復活。
昭和59年(1984年)を機に途切れていた一人角力は、大三島中学校教諭 越智秀雄のはたらきかけにより、平成2年の愛媛県地域生活文化研究発表会で大三島中学校生徒により披露されることとなり、以後同中学校において伝承文化発表会で毎年熱演されている。平成6年~10年の間には、大三島中学校生徒会 会長・副会長による一人角力が実際の御田植祭と抜穂祭でも奉納された。現在、しまなみ海道開通(平成11年)を契機として、地元の若者の中から菅貞之(力士)・多和祥栄(行司)の2人により成人の一人角力復活がなされている。現在は県の無形民俗文化財となっている。
こちらには、唯一のひとり相撲力士である「一力山」こと菅貞之さんのコメントが紹介されています。
NHK松山放送局 - おはよう四国 -
「すごく強いですけど、人間に一勝させてくれる優しさも持っているのが神様だと思います」なんかイイ。
ちなみに今治市役所の職員だそうです(笑)。
DDTあたりがリングで紹介しても面白いとも思うが・・・。
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カテゴリ: いろいろ | 2007-06-23 | 投稿者:杉