甲本ヒロトがサムライTVに加入~ルチャ、イッテンヨン、キン肉マニア…優しくプロレス語りまくる
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ラジオ日本で毎週放送中「真夜中のハーリー&レイス」にザ・クロマニヨンズの甲本ヒロトさんが登場。
放送から少し日にちが経ってしまいましたが、あまりにも内容が良かったので紹介します。
このところプロレスから離れていた甲本さんが、ルチャドール「バリエンテ」をきっかけにファン熱復活。
いろいろ語ってくれています。
こちらがポッドキャスト(音声ファイル)。
■ 1/24 vs甲本ヒロトさん(ザ・クロマニヨンズ)<A面> 真夜中のハーリー&レイス: 真夜中のハーリー&レイス|AM1422kHzラジオ日本
■ 1/24 vs甲本ヒロトさん(ザ・クロマニヨンズ)<B面> 真夜中のハーリー&レイス: 真夜中のハーリー&レイス|AM1422kHzラジオ日本
最初はレコードの話(これも素晴らしい)。
後半はプロレストーク。
以下、プロレス関連のところを文字起こしします。
ただ、できれば音声ファイルで聞いてほしい。聞ける環境の方は絶対音声で聞いてください。
甲本ヒロトさんの優しい語り口調、文章とは印象変わるはず。
では一応、文字起こし。
ヒロト「そう言えばさっき、ミル・マスカラスのスカイハイを見ていて思い出したんだけど、以前(清野さんと)会ったときに、ルチャリブレの話をしたと思うんですよ。
そのときの想い出がずっとあって、楽しくて楽しくて、たまらなく楽しかったんですよ。楽しいことって言うと、パッとあれが思いつくんですよ。曲とか作っていても、楽しい曲にしようと思うと、あのイメージ(ルチャ)が浮かぶんですよ。
で、今回のアルバムには、全くひねらず、そのイメージのまんまを曲にしたのがあって、そしたら、またルチャリブレが見たくなって、強く強く見たくなって、
今回の曲のなかで『バリエンテ』という言葉を連発しているんですけど、そしたらバリエンテってレスラーがいて、日本に来るんだよって。知らなかったんだよ、その存在すら知らなかったんだ、偶然だったんだよ。それでね、観に行ったよ。」
清野「1月4日、東京ドームに!」
ヒロト「はい。よかったぁー」。
清野「残念ながらバリエンテはライガーに負けちゃいましたけど、まぁでも、ああいうう大きな舞台にルチャが出てくるのはいいですね」。
ヒロト「そしてね、その日の新日、全部良かった」。
清野「どうでしてか、久々に見て」
ヒロト「ホントに久々に観に行った、プロレス。凄く良かった。もっとこれから見ます。サムライTVにも契約しました」。
清野「ありがとうございます!」
<CM>
清野「お会いするのが6年ぶりということで…(省略)、この6年間のプロレス・格闘技はどういう感じでご覧になってましたか?」
ヒロト「うんとね、正直ね、嫌いになったわけじゃないんだよ。そうじゃなくてね、バンドのことに夢中で、ほとんど他のこと何もやってなかったです。オートバイ乗る時間も少なかったし。最近また再燃してます」。
清野「きっかけはルチャだったんですか?」
ヒロト「ううん、自分の記憶。あの曲を歌うことでバリエンテが見たくなった。それがきっかけ」。
清野「そうか、全ては楽しい想い出から来ているわけですね。前におっしゃっていたのは、メキシコにルチャを観に行ったら本当に楽しかった。そしてルチャドールは『可愛い』と」。
ヒロト「日本でルチャリブレと言うと、『飛び技が凄いね』とか『固め技がいっぱいある』とか。でも僕のルチャのイメージは、楽しくてほがらかで陽気で、可愛らしくて愛おしいものなんですよ。だからそこをもっと押し出してほしい。どっちが強いなんてもういいから、楽しくしてほしい」。
清野「また盛り上がってメキシコに観に行きたくなったり…」
ヒロト「行きたいです。でね、今回サムライTVと契約して良かったと思うのは、プエブラとかアレナ・メヒコとかの試合をやってくれること。良かった」。
清野「先ほどの1.4東京ドーム、ヒロトさんの目にはどう映りましたか?」
ヒロト「はっきり言う、ごめんなさいって感じだった。もうプロレスは素晴らしい。その日は、バリエンテがきっかけで観に行ったんだけども、なんて素晴らしいんだろうと思って、久しぶりに、脚バタバタストンプしたよ」
清野「おお~重低音ストンピング攻撃を!」
ヒロト「もう思い切りしたよ!」
清野「でもぶっちゃけ久々に見ると、知らない選手ばかりでちょっとどうしようって不安はありませんでした?」
ヒロト「あったんですけどねぇ。だからパンフレットと睨めっこしながら(笑)。でも、あの日は本当に凄かったよ。どうです?良かったよね?」
清野「そうですね。あと、本当に好きな人が集まってるな、って感じありましたね」。
ヒロト「そうかぁ。最後の棚橋選手と鈴木選手の明確な色の分け方も僕は良かったと思うし。偉いなぁ、どっちも」。
清野「ヒロトさんはメインイベント、どちらの選手に感情移入して見てましたか?」
ヒロト「ボクね、見るまではフラットだったんですよ。で、ボクの知り合いの好意で、バリエンテに会わせてくれるってことで控え室に通されたんです。そのとき、偶然、棚橋選手を見かけ、すぐそばで見た棚橋選手が凄く格好良かったので、急に棚橋ファンになり、試合の3時間ぐらい前から棚橋ファンで。
そして、偶然、真壁選手とも会い、始まる数時間前から真壁選手のファン。そして、大きな身体を引きずるようにゆっくり歩いている武藤選手を見かけ、もの凄く武藤選手のファンになり。だからね、結構、感情移入してたんだよ」
清野「やっぱり間近で会うと違いますよね」
ヒロト「格好良いね、みんな」
清野「この6年間を振り返ると、いろいろプロレス・格闘技界ありましたが、それじゃあまり気合い入れてご覧になってないということで、引っかかるような出来事はありましたか?」
ヒロト「どうですかねぇ、こうして見るといろいろあったんですね。(資料を見ながら)IGFの旗揚げが2007年だったなんてね。そして小橋建太選手が復帰したのも2007年。ボク、小橋建太選手みたいな選手好きですよ」
清野「あの選手も、気持ちが良く表れた選手ですよね」
ヒロト「うん。なんかね、気持ちなんですよ。心。心が伝わってくることが大事だと思う、プロレスは」
清野「プロレスに限らず、表現というのは全部そうかもしれませんね」。
ヒロト「心から心ですよね。その間の媒体としてプロレスがあったり音楽があったり。絵描きさんは絵を描くだろう、映画監督は映画を撮るだろう、でも結局、その人の心しか伝わってこないんだよな、ホントは。みんな目で見てたり耳で聞いたつもりでも最後は心で感じるから、心から心なんだと思うよ。小橋なんかは、もうストレートに心が伝わってくる。いい選手だねー。
あ、2007年に船木復活、船木選手と言えば、1月4日の…どうですか、骨折してたんでしょ?」
清野「全治6ヶ月です」
ヒロト「でも、痛そうな顔なんて一度もしなかったよ」。
清野「船木さんって何を考えているか分からないような、ミステリアスな感じがありますよね。あれがやっぱり魅力ですよね」。
ヒロト「ボクね、それで思い出した話がロックであるんですよ。せっかくだからロックの話をさせてください。初めてザ・フーというバンドを見たとき、ピート・タウンゼントが腕をグルグル回しながらギターを弾くんですけど、それが格好つけて腕を回しているという印象は皆無なんです。命がけなんですよ。あんなにグルグル回したら腕を脱臼するんじゃないかというぐらい、これ以上強く回せないんじゃないかと言うぐらいの勢いなんです。
そして案の定、ギターのボディに腕をぶつけてしまうんです。ボクは肉眼で見たんだけど、水道の蛇口をひねったぐらいの血量がステージにジャージャー流れているんです。そのまま救急車で運ばれてアンコールは出てこれなかったんです。次の日の新聞を見たら、骨が見えていたんです。全部身が削り取られて骨が見えているんです。そのぐらいのスピードで腕を回すんです。そうじゃなきゃダメなんだ。命がけなんだ。それをボクは目の前で見たからビックリしてしまって、何か啓示をを受けた気がしたんです。
ボクなりの解釈ですよ、ロックンロールは自由なんだよ、何をやってもいいんだ、ロックンロールのステージ上でやってはいけないことはないんだ。だけど一つだけやってはいけないことがある、それは『格好つけることだ』と教わった気がするんです。命がけでやれよ、テメエラって感じ。そして10年ぐらい経ってから、ピート・タウンゼントがそのときの様子を語ったインタビューを読んだんです。それまであの日のことを語らなかったピート・タウンゼントの言葉だったんです。そのあとのツアーも腕のギブスにピックつけて腕をグルグル回したんですよ。そのときのことをインタビューで語るんです。『痛かった』って(笑)」
清野「かわいい(笑)」
ヒロト「どのぐらい痛かった?と聞いたら、人生であんな痛みはない、後にも先にもあれ以上痛いなんてことはないだろう。死ぬかと思ったって言うの。『でもキャンセルしないでツアー続けたよね』って質問に対して、『当たり前じゃないか、痛いという理由でリングを降りるボクサーがいるか』って言うんだよ。格好いいじゃないですか。で、この1月4日の船木選手がダブルじゃないですか。そのまま戦い続けた。痛みをみじんも感じさせなかった。ロックンロールだなぁ」。
清野「しかも試合が終わってのコメントルームでも一言もなかった」
ヒロト「でしょ? 顔面折れてるんだよ。どうかしてるよね、アイツら」。
(一部省略)
ヒロト「また思い出しました。思い出しますね、清野さんと話していると。これプロレスファンからは、大ブーイングされるかもしれないけど、もう夜中だからいいよね。ボクがほとんどプロレスを見ていなかった6年間のあいだのベスト興行、キン肉マン」
清野「キン肉マニア?」
ヒロト「キン肉マニア、JCBホール。あれは良かった。ボクねぇ、ボロ泣きですよ」
清野「一番刺さった理由はなんだったんでしょう」
ヒロト「最初はね、失礼だけれでも、茶番を観に行くよな気持ちも心の片隅にあったんです。キン肉マン大好きだよ。キン肉マンが好きな人が集まるお祭りであって、そのお祭りを楽しく盛り上げていくのであって、ニコニコ笑っていようと思って観に行ったんだよ。そしたら、そこにあったのは、迷走するプロレス界の一つの着地点だったんだよ。これだったんだよ、ボクがほしかったのは」
清野「確かにあの頃はプロレスも、ちょっと人気が下がってきてどうしようという時期だったですよね」
ヒロト「細分化して、この団体はこれを見せる、この団体はここを肥大させる。昔、新日本と全日本がストロングスタイルと全日本のスタイルで見せ方を明確にしていって分かれたように。そしてプロレスファンがどんどんどんどんマニアックになって細かいことをどんどん肥大化させて顕微鏡で見るようなプロレスの状況、それに対応していくようなひじょうに厳しい状態が何年か続いた。どうなんだろう、と思ったときにキン肉マニアを見て、これがたった一つの答えだとは思わないけども、一つの大正解を見せてくれたように感じたんです」
清野「スポンと腑に落ちたんですね」
ヒロト「そこに自分がいられたこと、答えを見た感じ。涙が止まらなかった」。
清野「確かにあれは伝説になってますもんね
ヒロト「キン肉フラッシュ見たよ! ボクもあの光りを浴びたんだよ!」
清野「マスク剥がしたところを!」
ヒロト「あの会場にバーっとキン肉フラッシュが来てさぁ、あそこにいた人はみんな見たんだよ。どぶ川に鮎が帰ってくるんだよ」
清野「そういうファンタジーもプロレスが持っている大事な部分ですよね」
ヒロト「そうだね、ファンタジーだったね。100%ファンタジーだった」
(ここでゴング)
===文字興しここまで。
※繰り返しになりますが、ぜひ音声で全編チェックしてください。
甲本さん、プロレスに対するご意見も鋭い。1.4ドームにしても注目される点がひじょうに興味深い。
サムライTVは楽しんでいただけているでしょうか? 最近、ルチャ中継ないのが少し心配。
昨年末、発売されたKAMINOGでもルチャについて語っています。
合わせてチェックを。
¥ 1,000 (定価)
(Amazon価格)
単行本
(価格・在庫状況は11月23日 4:31現在)
※参考記事
■ バリエンテ [ Mask Maniaへの道!! ]
■NJPW 40th anniversary Tour. レッスルキングダムⅥ in 東京ドーム [ 新日本プロレスリング ]
■ 「キン肉マニア2009」会場から速報まとめ | ブラックアイ2
■ 「キン肉マニア2009」の観戦記を集めてみました。~キンケシは何よりも美しい | ブラックアイ2
放送から少し日にちが経ってしまいましたが、あまりにも内容が良かったので紹介します。
清野アナとは6年ぶりの再会
放送は1月24日深夜。このところプロレスから離れていた甲本さんが、ルチャドール「バリエンテ」をきっかけにファン熱復活。
いろいろ語ってくれています。
こちらがポッドキャスト(音声ファイル)。
■ 1/24 vs甲本ヒロトさん(ザ・クロマニヨンズ)<A面> 真夜中のハーリー&レイス: 真夜中のハーリー&レイス|AM1422kHzラジオ日本
■ 1/24 vs甲本ヒロトさん(ザ・クロマニヨンズ)<B面> 真夜中のハーリー&レイス: 真夜中のハーリー&レイス|AM1422kHzラジオ日本
最初はレコードの話(これも素晴らしい)。
後半はプロレストーク。
以下、プロレス関連のところを文字起こしします。
ただ、できれば音声ファイルで聞いてほしい。聞ける環境の方は絶対音声で聞いてください。
甲本ヒロトさんの優しい語り口調、文章とは印象変わるはず。
では一応、文字起こし。
ホントに久々に観に行った、プロレス。凄く良かった。もっとこれから見ます。サムライTVにも契約しました。
ヒロト「そう言えばさっき、ミル・マスカラスのスカイハイを見ていて思い出したんだけど、以前(清野さんと)会ったときに、ルチャリブレの話をしたと思うんですよ。
そのときの想い出がずっとあって、楽しくて楽しくて、たまらなく楽しかったんですよ。楽しいことって言うと、パッとあれが思いつくんですよ。曲とか作っていても、楽しい曲にしようと思うと、あのイメージ(ルチャ)が浮かぶんですよ。
で、今回のアルバムには、全くひねらず、そのイメージのまんまを曲にしたのがあって、そしたら、またルチャリブレが見たくなって、強く強く見たくなって、
今回の曲のなかで『バリエンテ』という言葉を連発しているんですけど、そしたらバリエンテってレスラーがいて、日本に来るんだよって。知らなかったんだよ、その存在すら知らなかったんだ、偶然だったんだよ。それでね、観に行ったよ。」
清野「1月4日、東京ドームに!」
ヒロト「はい。よかったぁー」。
清野「残念ながらバリエンテはライガーに負けちゃいましたけど、まぁでも、ああいうう大きな舞台にルチャが出てくるのはいいですね」。
ヒロト「そしてね、その日の新日、全部良かった」。
清野「どうでしてか、久々に見て」
ヒロト「ホントに久々に観に行った、プロレス。凄く良かった。もっとこれから見ます。サムライTVにも契約しました」。
清野「ありがとうございます!」
<CM>
清野「お会いするのが6年ぶりということで…(省略)、この6年間のプロレス・格闘技はどういう感じでご覧になってましたか?」
ヒロト「うんとね、正直ね、嫌いになったわけじゃないんだよ。そうじゃなくてね、バンドのことに夢中で、ほとんど他のこと何もやってなかったです。オートバイ乗る時間も少なかったし。最近また再燃してます」。
清野「きっかけはルチャだったんですか?」
ヒロト「ううん、自分の記憶。あの曲を歌うことでバリエンテが見たくなった。それがきっかけ」。
清野「そうか、全ては楽しい想い出から来ているわけですね。前におっしゃっていたのは、メキシコにルチャを観に行ったら本当に楽しかった。そしてルチャドールは『可愛い』と」。
ヒロト「日本でルチャリブレと言うと、『飛び技が凄いね』とか『固め技がいっぱいある』とか。でも僕のルチャのイメージは、楽しくてほがらかで陽気で、可愛らしくて愛おしいものなんですよ。だからそこをもっと押し出してほしい。どっちが強いなんてもういいから、楽しくしてほしい」。
清野「また盛り上がってメキシコに観に行きたくなったり…」
ヒロト「行きたいです。でね、今回サムライTVと契約して良かったと思うのは、プエブラとかアレナ・メヒコとかの試合をやってくれること。良かった」。
清野「先ほどの1.4東京ドーム、ヒロトさんの目にはどう映りましたか?」
ヒロト「はっきり言う、ごめんなさいって感じだった。もうプロレスは素晴らしい。その日は、バリエンテがきっかけで観に行ったんだけども、なんて素晴らしいんだろうと思って、久しぶりに、脚バタバタストンプしたよ」
清野「おお~重低音ストンピング攻撃を!」
ヒロト「もう思い切りしたよ!」
清野「でもぶっちゃけ久々に見ると、知らない選手ばかりでちょっとどうしようって不安はありませんでした?」
ヒロト「あったんですけどねぇ。だからパンフレットと睨めっこしながら(笑)。でも、あの日は本当に凄かったよ。どうです?良かったよね?」
清野「そうですね。あと、本当に好きな人が集まってるな、って感じありましたね」。
ヒロト「そうかぁ。最後の棚橋選手と鈴木選手の明確な色の分け方も僕は良かったと思うし。偉いなぁ、どっちも」。
清野「ヒロトさんはメインイベント、どちらの選手に感情移入して見てましたか?」
ヒロト「ボクね、見るまではフラットだったんですよ。で、ボクの知り合いの好意で、バリエンテに会わせてくれるってことで控え室に通されたんです。そのとき、偶然、棚橋選手を見かけ、すぐそばで見た棚橋選手が凄く格好良かったので、急に棚橋ファンになり、試合の3時間ぐらい前から棚橋ファンで。
そして、偶然、真壁選手とも会い、始まる数時間前から真壁選手のファン。そして、大きな身体を引きずるようにゆっくり歩いている武藤選手を見かけ、もの凄く武藤選手のファンになり。だからね、結構、感情移入してたんだよ」
清野「やっぱり間近で会うと違いますよね」
ヒロト「格好良いね、みんな」
清野「この6年間を振り返ると、いろいろプロレス・格闘技界ありましたが、それじゃあまり気合い入れてご覧になってないということで、引っかかるような出来事はありましたか?」
ヒロト「どうですかねぇ、こうして見るといろいろあったんですね。(資料を見ながら)IGFの旗揚げが2007年だったなんてね。そして小橋建太選手が復帰したのも2007年。ボク、小橋建太選手みたいな選手好きですよ」
清野「あの選手も、気持ちが良く表れた選手ですよね」
ヒロト「うん。なんかね、気持ちなんですよ。心。心が伝わってくることが大事だと思う、プロレスは」
清野「プロレスに限らず、表現というのは全部そうかもしれませんね」。
ヒロト「心から心ですよね。その間の媒体としてプロレスがあったり音楽があったり。絵描きさんは絵を描くだろう、映画監督は映画を撮るだろう、でも結局、その人の心しか伝わってこないんだよな、ホントは。みんな目で見てたり耳で聞いたつもりでも最後は心で感じるから、心から心なんだと思うよ。小橋なんかは、もうストレートに心が伝わってくる。いい選手だねー。
あ、2007年に船木復活、船木選手と言えば、1月4日の…どうですか、骨折してたんでしょ?」
清野「全治6ヶ月です」
ヒロト「でも、痛そうな顔なんて一度もしなかったよ」。
清野「船木さんって何を考えているか分からないような、ミステリアスな感じがありますよね。あれがやっぱり魅力ですよね」。
ヒロト「ボクね、それで思い出した話がロックであるんですよ。せっかくだからロックの話をさせてください。初めてザ・フーというバンドを見たとき、ピート・タウンゼントが腕をグルグル回しながらギターを弾くんですけど、それが格好つけて腕を回しているという印象は皆無なんです。命がけなんですよ。あんなにグルグル回したら腕を脱臼するんじゃないかというぐらい、これ以上強く回せないんじゃないかと言うぐらいの勢いなんです。
そして案の定、ギターのボディに腕をぶつけてしまうんです。ボクは肉眼で見たんだけど、水道の蛇口をひねったぐらいの血量がステージにジャージャー流れているんです。そのまま救急車で運ばれてアンコールは出てこれなかったんです。次の日の新聞を見たら、骨が見えていたんです。全部身が削り取られて骨が見えているんです。そのぐらいのスピードで腕を回すんです。そうじゃなきゃダメなんだ。命がけなんだ。それをボクは目の前で見たからビックリしてしまって、何か啓示をを受けた気がしたんです。
ボクなりの解釈ですよ、ロックンロールは自由なんだよ、何をやってもいいんだ、ロックンロールのステージ上でやってはいけないことはないんだ。だけど一つだけやってはいけないことがある、それは『格好つけることだ』と教わった気がするんです。命がけでやれよ、テメエラって感じ。そして10年ぐらい経ってから、ピート・タウンゼントがそのときの様子を語ったインタビューを読んだんです。それまであの日のことを語らなかったピート・タウンゼントの言葉だったんです。そのあとのツアーも腕のギブスにピックつけて腕をグルグル回したんですよ。そのときのことをインタビューで語るんです。『痛かった』って(笑)」
清野「かわいい(笑)」
ヒロト「どのぐらい痛かった?と聞いたら、人生であんな痛みはない、後にも先にもあれ以上痛いなんてことはないだろう。死ぬかと思ったって言うの。『でもキャンセルしないでツアー続けたよね』って質問に対して、『当たり前じゃないか、痛いという理由でリングを降りるボクサーがいるか』って言うんだよ。格好いいじゃないですか。で、この1月4日の船木選手がダブルじゃないですか。そのまま戦い続けた。痛みをみじんも感じさせなかった。ロックンロールだなぁ」。
清野「しかも試合が終わってのコメントルームでも一言もなかった」
ヒロト「でしょ? 顔面折れてるんだよ。どうかしてるよね、アイツら」。
(一部省略)
ヒロト「また思い出しました。思い出しますね、清野さんと話していると。これプロレスファンからは、大ブーイングされるかもしれないけど、もう夜中だからいいよね。ボクがほとんどプロレスを見ていなかった6年間のあいだのベスト興行、キン肉マン」
清野「キン肉マニア?」
ヒロト「キン肉マニア、JCBホール。あれは良かった。ボクねぇ、ボロ泣きですよ」
清野「一番刺さった理由はなんだったんでしょう」
ヒロト「最初はね、失礼だけれでも、茶番を観に行くよな気持ちも心の片隅にあったんです。キン肉マン大好きだよ。キン肉マンが好きな人が集まるお祭りであって、そのお祭りを楽しく盛り上げていくのであって、ニコニコ笑っていようと思って観に行ったんだよ。そしたら、そこにあったのは、迷走するプロレス界の一つの着地点だったんだよ。これだったんだよ、ボクがほしかったのは」
清野「確かにあの頃はプロレスも、ちょっと人気が下がってきてどうしようという時期だったですよね」
ヒロト「細分化して、この団体はこれを見せる、この団体はここを肥大させる。昔、新日本と全日本がストロングスタイルと全日本のスタイルで見せ方を明確にしていって分かれたように。そしてプロレスファンがどんどんどんどんマニアックになって細かいことをどんどん肥大化させて顕微鏡で見るようなプロレスの状況、それに対応していくようなひじょうに厳しい状態が何年か続いた。どうなんだろう、と思ったときにキン肉マニアを見て、これがたった一つの答えだとは思わないけども、一つの大正解を見せてくれたように感じたんです」
清野「スポンと腑に落ちたんですね」
ヒロト「そこに自分がいられたこと、答えを見た感じ。涙が止まらなかった」。
清野「確かにあれは伝説になってますもんね
ヒロト「キン肉フラッシュ見たよ! ボクもあの光りを浴びたんだよ!」
清野「マスク剥がしたところを!」
ヒロト「あの会場にバーっとキン肉フラッシュが来てさぁ、あそこにいた人はみんな見たんだよ。どぶ川に鮎が帰ってくるんだよ」
清野「そういうファンタジーもプロレスが持っている大事な部分ですよね」
ヒロト「そうだね、ファンタジーだったね。100%ファンタジーだった」
(ここでゴング)
===文字興しここまで。
※繰り返しになりますが、ぜひ音声で全編チェックしてください。
甲本さん、プロレスに対するご意見も鋭い。1.4ドームにしても注目される点がひじょうに興味深い。
サムライTVは楽しんでいただけているでしょうか? 最近、ルチャ中継ないのが少し心配。
昨年末、発売されたKAMINOGでもルチャについて語っています。
合わせてチェックを。
¥ 1,000 (定価)
(Amazon価格)
単行本
(価格・在庫状況は11月23日 4:31現在)
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