2011-03-31
鈴木みのるの「お前がプロレスの力を信じないで…」発言に杉浦貴が反論「目に見えない勇気や元気はどうなのか」
3月27日に行われたノア・ディファ有明大会での鈴木みのる発言が話題となっています。今週の週刊プロレスでは表紙となりました。
まず発端となった杉浦貴の発言から紹介。
3月21日、福岡国際センターでのトレバー・マードック戦後の控え室コメント。
■ 「3.21GREAT VOYAGE2011」福岡国際センター大会 杉浦選手試合後のコメント [ PRO-WRESTLING NOAH OFFICAL SITE ]
続いて3月27日、ディファ有明。試合後のリング上。
■ 王者・杉浦、みのるの批判に「タイトルマッチどころじゃない」=ノア [ スポーツナビ ] ※杉浦コメントは週刊プロレスから。
リング上で鈴木みのるが強烈なダメダシ。
静まりかえって聞いていた客席から、一部拍手が起こると「拍手なんてするな!」と鈴木が一喝。
鈴木は杉浦とのGHC選手権を拒否。
そして本日(3/30)の東スポ、杉浦貴が反論。
プロレスをすることに迷いがあるわけではない。「自粛すべき」のような考えでもなさそう。
両者の主張をまとめてみると、
ノアは5月8日の有明コロシアム大会で、両者のGHCヘビー級タイトルマッチを組みたいと考えている。
まずやっぱり、今回の件をリングに繋げるのは違和感があります。「イデオロギーを試合に絡めてほしくない」と杉浦貴も語っていますが、試合が実現すればどうしても頭にこの件が過ぎるでしょう。
被災地のファンの気持ちを考えれば複雑すぎる。
ドラゴンゲートと全日本プロレスの両国開催判断でも問題となったが、この話には正解がない。
もう一つ、鈴木みのるの発言はリング上で言うべきだったのか、との疑問も。
ノアにとっては震災後初の東京興行。モヤモヤした気持ちを発散させようと会場にやってきたファンは多いはず。しかし更に重い気持ちとなって帰宅したファンもいたんじゃなかろうか。
ただ…鈴木みのるも、そのことは分かっていたはず。それでも言うべきと判断した。
強引なやり方であることは間違いないが、ハッキリ言って鈴木みのるの発言には痺れてしまった。「よくぞ言った」と思ってしまった。
物資やお金はどんな職業の人でもなんとかなります。しかし「プロレス」を届けられるのはプロレスラーだけ。
自衛隊出身の杉浦にすれば、被災地で直接支援している元同僚の活動に比べ、現実味がなさすぎて「プロレスで~」なんてことは口にできないのかもしれない。
でも実際に力をもらうことはあるんです。そこは胸張ってほしいとホントに思う。
以下は一度紹介した、サッカー・三浦知良選手のコラムです。
こちらの記事は、29日の三浦選手がゴールを決めた慈善試合より前に掲載されたものです。
■ 生きるための明るさを 三浦知良・サッカー人として [ 日本経済新聞 ]
杉浦「イデオロギーを絡めたくはない」
震災後、この状況でプロレスをしていいかどうかを巡る。まず発端となった杉浦貴の発言から紹介。
3月21日、福岡国際センターでのトレバー・マードック戦後の控え室コメント。
■ 「3.21GREAT VOYAGE2011」福岡国際センター大会 杉浦選手試合後のコメント [ PRO-WRESTLING NOAH OFFICAL SITE ]
―MVP男との対決を望んでいたが
「次、日本人とやるからには業界の顔というかMVPを獲るくらいの影響力や発信力がある選手とやりたいですね。さっきは(リング上の勝利者インタビューで)勝手に名前を出したらどうかな(会社に迷惑がかかる)っていうのがあって、言わなかったんですけど、僕個人としては鈴木みのる選手とやりたい。できるかどうかはわからないですけど、戦えるのだったらやりたい」
―震災の影響が色濃く残る中での防衛戦だったが
「今、プロレスで勇気付ける、と言ったところで自己満足だと思うんですよ。今、必要なのは水であり、食料であり、物資。プロレスをやるなら夢のあるカードをやって、お客さんにたくさん観に来てもらって、その収益を義援金にすればいい。西日本では普通に生活ができているので、こうして興行をやって経済を循環させることも良いと思うんですけど、東日本だったら復興支援。言い方は悪いかもしれませんが、お金を作って送ってあげることだと思います。いつかライフラインがちゃんと復旧して、娯楽が楽しめるようになったら、僕らが試合をして元気付けられたらいいなと思います」
続いて3月27日、ディファ有明。試合後のリング上。
■ 王者・杉浦、みのるの批判に「タイトルマッチどころじゃない」=ノア [ スポーツナビ ] ※杉浦コメントは週刊プロレスから。
鈴木マイク「杉浦、お前の言ってることを聞いてガッカリしたよ。被災地でいま必要なのは水や食料って、そんなことはみんな分かってるんだ。でも、東北で苦しんでる人たちの中にもプロレスファンがいるだろ。そういうファンをいったい誰が救うんだ? お前MVP取ったんだろ? お前がプロレスの力を信じないで誰が信じるんだよ!? 東北で苦しんでるプロレスファン、そいつらの心を救うのは食い物じゃねぇ、水じゃねぇ、プロレスなんだ! こういう時に胸張って立ち上がるって何で言えねぇんだ? それがチャンピオンだろ。俺と戦うなんて100年早い。迷ってる奴なんて興味ねぇ。顔を洗って出直してこい」
杉浦・試合後コメント「タイトルマッチどころじゃない。レスラーとしてのアイデンティティーを否定されたような…。辛いですね。鈴木さんが投げかけたことをオレなりに解釈して消化して前へ進まないといけない」
リング上で鈴木みのるが強烈なダメダシ。
静まりかえって聞いていた客席から、一部拍手が起こると「拍手なんてするな!」と鈴木が一喝。
鈴木は杉浦とのGHC選手権を拒否。
そして本日(3/30)の東スポ、杉浦貴が反論。
杉浦「誤解されたくない。言葉の頭だけとって、ああいう形で言ってくるなんて…。正直、やられたなって思いが強い」
杉浦「今やるべきことは違う。食料が欲しい、水が欲しいという状況で、目に見えない勇気や元気はどうなのか、ということ。復興の兆しが見え、余暇を楽しむ余裕ができたときすることだと思う。その時には俺だって被災地へ行って試合がしたい」。
震災直後に葛藤があったのは事実。だが考え抜いた結論が「今こそプロレス界が世間へ向くべき」だった。試合を続けて経済を動かし、復興資金となる税金を納め、義援金を募り、チャリティーマッチを開催する。今はプロレスファンだけでなく、被災者全体に向けて動くべきと考える。自衛隊出身の杉浦が現実的な考えを持つのは当然だ。
杉浦「イデオロギーを試合に絡めてほしくないし、言い争っても被災地には届かない。だが俺は試合で負けたのは事実。今はリベンジしたいだけ」。
プロレスをすることに迷いがあるわけではない。「自粛すべき」のような考えでもなさそう。
両者の主張をまとめてみると、
杉浦貴「目に見えない勇気や元気より、義援金や物資が大事。プロレスファンだけでなく被災者全体に向けて動くべき」こんな感じでしょうか。
鈴木みのる「物資などが大事なのは当たり前。東北のファンのためには“プロレス”が必要」
ノアは5月8日の有明コロシアム大会で、両者のGHCヘビー級タイトルマッチを組みたいと考えている。
でも、何か明るい材料がなければ生きていけない。
ここからは私の意見です。まずやっぱり、今回の件をリングに繋げるのは違和感があります。「イデオロギーを試合に絡めてほしくない」と杉浦貴も語っていますが、試合が実現すればどうしても頭にこの件が過ぎるでしょう。
被災地のファンの気持ちを考えれば複雑すぎる。
ドラゴンゲートと全日本プロレスの両国開催判断でも問題となったが、この話には正解がない。
もう一つ、鈴木みのるの発言はリング上で言うべきだったのか、との疑問も。
ノアにとっては震災後初の東京興行。モヤモヤした気持ちを発散させようと会場にやってきたファンは多いはず。しかし更に重い気持ちとなって帰宅したファンもいたんじゃなかろうか。
ただ…鈴木みのるも、そのことは分かっていたはず。それでも言うべきと判断した。
強引なやり方であることは間違いないが、ハッキリ言って鈴木みのるの発言には痺れてしまった。「よくぞ言った」と思ってしまった。
物資やお金はどんな職業の人でもなんとかなります。しかし「プロレス」を届けられるのはプロレスラーだけ。
自衛隊出身の杉浦にすれば、被災地で直接支援している元同僚の活動に比べ、現実味がなさすぎて「プロレスで~」なんてことは口にできないのかもしれない。
でも実際に力をもらうことはあるんです。そこは胸張ってほしいとホントに思う。
以下は一度紹介した、サッカー・三浦知良選手のコラムです。
こちらの記事は、29日の三浦選手がゴールを決めた慈善試合より前に掲載されたものです。
■ 生きるための明るさを 三浦知良・サッカー人として [ 日本経済新聞 ]
このたびの大震災の被災者の方々に、心からお見舞いを申し上げます。被害に遭われた方々にとって、この2週間が、その1分1秒が、どんなものだったかを思うと、おかけする言葉も見つかりません。
生きているとはどういうことなのだろう、サッカーをする意味とは何なのだろう。そういったことを見つめ直さずにはいられなかった日々のなか、思わず頭をよぎったのは「今のオレ、価値がないよな」ということ。
試合がなくなり、見に来る観客がいなければ、僕の存在意義もない。プロにとってお客さんがいかに大切か、改めて学んでもいる。
サッカーをやっている場合じゃないよな、と思う。震災の悲惨な現実を前にすると、サッカーが「なくてもいいもの」にみえる。医者に食料……、必要なものから優先順位を付けていけば、スポーツは一番に要らなくなりそうだ。
でも、僕はサッカーが娯楽を超えた存在だと信じる。人間が成長する過程で、勉強と同じくらい大事なものが学べる、「あった方がいいもの」のはずだと。
未曽有の悲劇からまだ日は浅く、被災された方々はいまだにつらい日々を送っている。余裕などなく、水も食べるものもなく、家が流され、大切な人を失った心の痛みは2週間では癒やされはしない。
そうした人々にサッカーで力を与えられるとは思えない。むしろ逆だ。身を削る思いで必死に生きる方々、命をかけて仕事にあたるみなさんから、僕らの方が勇気をもらっているのだから。
サッカー人として何ができるだろう。サッカーを通じて人々を集め、協力の輪を広げ、「何か力になりたい」という祈りを支援金の形で届け、一日も早い復興の手助けをしたい。そこに29日の日本代表との慈善試合の意義があると思う。
こんなことを言える立場ではないけれども、いま大事なのは、これから生きていくことだ。
悲しみに打ちのめされるたびに、乗り越えてきたのが僕たち人間の歴史のはずだ。とても明るく生きていける状況じゃない。でも、何か明るい材料がなければ生きていけない。
暗さではなく、明るさを。29日のチャリティーマッチ、Jリーグ選抜の僕らはみなさんに負けぬよう、全力で、必死に、真剣にプレーすることを誓う。
■ 「鈴木みのるの「お前がプロレスの力を信じないで…」発言に杉浦貴が反論「目に見えない勇気や元気はどうなのか」」に関する情報は
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カテゴリ: NOAH | 2011-03-31 | 投稿者:杉