2006-10-28
大木金太郎 さん死去~追悼興行はなし?
28日に告別式
すでにご存じの方がほとんどかと思われますが、大木金太郎さんが26日に韓国・ソウルの病院でお亡くなりになりました。77歳。金一、頭突き1発に泣いて笑った60、70年代 [ Japanese JoongAngIlbo ]
1960~70年代、韓国プロレスリング界を牛耳った「パッチギ(頭突き)王」こと金一(キム・イル、日本名:大木金太郎)さんが26日昼12時17分、ソウル下渓洞乙支(ハゲドン・ウルチ)病院で死去した。77歳。昭和の名選手がまた一人・・・。
糖尿に高血圧、むくみ、腎不全などを患い、故人の死亡原因は慢性腎不全症と心臓血管異常による心臓まひだった。
息子のスアンさん(56)と長女のエジャさん(61)、次女スンヒさん(59)、弟子のイ・ワンピョ韓国プロレスリング連盟会長ら30人が臨終を見守った。遺体は乙支病院斉場地下1階特室に用意され、28日午後、京畿道碧蹄(キョンギド・ピョクチェ)で火葬され、遺骨は故郷である全南高興(チョンナム・コフン)に安置される予定だ。
今年の2月にはWBCアジア予選で韓国チームを応援するため来日。9月10日には車イスに乗ったままプロ野球(韓国)の始球式を行った。随分前から体調を崩してはいましたが、今回の話は急な事だったのかもしれません。
すでに韓国では葬儀が終了。
そちらの様子を含めた大木さんに関する情報は以下のBLOGに詳しく書かれています。
大木さんとも交流があり、亡くなる直前に集中治療室で本人に会われている。
大木金太郎危篤・続報 [ 韓国のプロレスとか、それ以外とか ]
キムイル先生=大木金太郎と知り合ったのが7年前。
「韓国在住の日本人ファン」というのが珍しがられて話を交わすようになり、入院中の病院にもときどき見舞いに行ったりするようになった。
「ただのファンなのに、こんなに馴れ馴れしくしてていいのか?」とも思ったが、見舞いに行くたびに歓迎してくれ、日プロ時代の話などをいろいろ聞かせてくれた。
<中略>
カメラの後ろでインタビューを聞いていたが、まとめると
・昨夜までは会話も出来る状態だった。
・今朝急に容態が悪化し、意識不明が続いている。
・酸素マスクなしでは維持できない状態。
・腸からかなりの出血が見られ、予断を許さない。
とのこと。
インタビューが終わってマスコミが撤収したあと、大木さんの奥さんに会う。さすがに憔悴しきっているので、こちらも言葉が見つからない。
このまま帰ろうかと思ったが、奥さんの厚意で、集中治療室にいる大木さんに会うことができた。
敢えて「会えた」と書いておく。
大木金太郎 死去(2) [ 韓国のプロレスとか、それ以外とか ]
帰宅後、テレビのニュースを見たら、猪木も斎場に姿を現わしていた。
馬場の葬儀のときはスルーし、橋本のときは大遅刻した猪木が、大木金太郎が亡くなったその日、しかも本葬の2日前に、飛行機で飛んできたのだ。
31歳と17歳のときに、ルームメイトだった二人。
46年経って、一方が他方の訃報に接し、その日にかけつける。
大木金太郎 告別式 [ 韓国のプロレスとか、それ以外とか ]
著名人の告別式にしては規模が小さいと思ったが、故郷の全羅南道でも追悼式を行うらしいので、とりあえず火葬の前にソウルで式を…という感じなのだろう。日本のマスコミでも、ここまで詳しく現地の情報を伝えているところはないでしょう。引用は一部ですので、ぜひリンク先で確認を。
与野党のお偉さん以外に、プロレス関係者も多数参列していた。
葬儀委員長のイ・ワンピョ、WWAの現役レスラーたち、力抜山、ジャイアントコリア、大韓プロレス(旧AWF)のチェ・テサン、LLPWに出ていたチェ・ソラ等々…。
日本から、力道山未亡人も参列していた。猪木はお通夜は参列したが、日程の都合で昨日韓国を離れたらしい。
政治家やスポンサー筋の弔辞が終わり、献花式に移る。私も知り合いのレスラーたちに混ざってキムイル先生に献花。
並んでいる間、その知り合いのレスラーが、突然私に語りかけてきた。
「俺にネクタイの結び方を教えてくれたのが、キムイル先生だったんですよ。今朝このネクタイを結んでたら、そのことを思い出して…」
いつもは明るい性格の彼が、献花が終わった直後は目を真っ赤に腫らしていた。
私なんかより、門下生の方が大木さんに思い入れがあるに決まっている。
私は黙って見守るしかなかった。
若手三羽烏は・・・
アントニオ猪木と大木金太郎と言えばデビュー戦の相手同士として有名。同期と言っても歳はだいぶ違う。韓国から密航で日本にやってきた大木さんは、当たり前のように「日本人」としてデビューする。かたやアントニオ猪木は横浜出身でありながら力道山の発案で「日系ブラジル人」として世に送り出される。もしかしたら、その辺で共感する部分が二人にはあったのかもしれない(大木さんは本気でブラジル人だったと信じていたかもしれませんが…)。
これで日プロの若手三羽烏は猪木を残すのみとなった・・・。
イノキ・ゲノムで追悼セレモニー
11月24日に行われる“予定”のイノキ・ゲノムでは、大木さんの追悼セレモニーも行われる。これで中止にはできなくなった・・・。
一方、日本での追悼興行は予定がないらしい。
KENTA王座奪取に自信…ノア石岡大会 [ スポーツ報知 ]
◆ノア百田副社長、大木金太郎さん追悼興行難しい新日本プロレスもサイモン社長のコメントを読む限り、追悼興行の話は出ていない。
26日に77歳で亡くなった大木金太郎さんとタッグを組んだことがある、力道山の二男でノアの百田光雄副社長(58)は27日、追悼興行の開催は難しいとの見解を話した。「大木さんを直接知る現役がほとんどいなくなった。やりたい気持ちはあるが、若い世代に押しつけるわけにもいかない」。大木さんが最後に所属した全日本も、現役時代が重なっているのは渕正信取締役(52)だけ。団体を超えての開催も現実的には厳しい状況だ。
ここまでの”レジェンド”なんだし、何かしてあげるべきだとは思うんですけど。知らないからこそ、功績を振り返る場を作るべき。
取りあえず、猪木vs大木はホントに凄いんで、見たことない人は何とか映像手に入れて見てくれ。
大木の頭突き、猪木のナックルパートが出たあとの何とも言えぬ“間”にシビレル。
「プロレスがショー」で仲違いしたライバルを追うように…
大木さんが亡くなったと聞いて、ふと思い出したのはこの話。「原爆頭突き」大木金太郎さん、人生のリングに幕 [ 朝鮮日報 Chosunilbo (Japanese Edition) ]
(日本から)帰国した金一さんはバックドロップの名手チャン・ヨンチョルさんとともに韓国プロレスの全盛期を牽引した。金一さんの門下「海外派」と、チョン・ヨンチョル一派の「国内派」のライバル試合が開かれた奨忠体育館には、常に多くの観衆が詰め掛けた。この事件には大熊元司さんも絡んでいる。ミスター高橋本よりずっと前の1965年に韓国であった暴露話。
しかし1965年11月、6ケ国世界プロレス大会に出場したチャン・ヨンチョルさんが「プロレスはショーだ」と暴露したことが広まり、2人の関係は急激に悪化した。それとともにプロレス人気も下降線をたどった。しかし今年1月、金一さんはやはり持病に苦しんでいたチャン・ヨンチョルさんを見舞い、今年8月のチャンさんの葬式にも参列した。
記事にもある通り、今年の1月に40年ぶりの和解。そして8月にチャン・ヨンチュルさんが死去。更に10月に大木さんも・・・。
「レスリングはショー」で対立していた金一さんと張永哲さんが41年ぶりに和解 [ Japanese JoongAngIlbo ]
「プロレスはショー」波紋の主人公・張永哲氏が死去 [ Japanese JoongAngIlbo ]
運命づいたものを感じます。
そのほか、以下の記事もどうぞ。
金一、頭突き1発に泣いて笑った60、70年代 [ 中央日報 ]
韓国における大木さんの英雄っぷりが伝わってきます。
韓流頭突き王 大木金太郎 [ 多重ロマンチック ]
詳しいプロフィール、エピソードなど。
ご冥福をお祈りします。
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カテゴリ: いろいろ | 2006-10-28 | 投稿者:杉