団体代表のレスラーが新人時代のトラウマと向かい合い闘うプロレス〜鈴木みのるvs石川雄規
(03/05 U-STYLE・UWF)

3月1日に観戦したリアルジャパン・後楽園ホール大会の感想を書いておきます。
話題はメインで行われた長州力vs初代タイガーが中心ですが、ここではセミの「鈴木みのるvs石川雄規」について。
2人とも「プロフェッショナルレスリング藤原組」の元所属選手。鈴木みのるはエース格、石川雄規はデビューしたばかりの新人。
2人は過去に1度だけシングルで対戦。今から17年前、私はこの試合を生で観戦していますが、新人・石川がまったく相手にならずボロボロになって負ける姿が強く印象に残っています。他の試合は覚えていませんが、この試合は記憶にある。それだけインパクトが強かった。
大会前の会見で石川雄規は「鈴木みのるは唯一のトラウマ」と発言。
すでに石川は「格闘探偵団バトラーツ」の代表でありトップ選手であります。弟子もいます。
そんな立場の人間が、若い頃の「トラウマ」と向かい合わなければならない。
U系ファンの変態世代もいい歳です。自分が同じ立場になったらどうか。
部下を連れて居酒屋行って、隣の席にたまたま学生時代の先輩がいて…。
逃げ出せない立場の人間が顔も合わしたくない人間と闘わなければいけないプレッシャー。想像しただけで胃が痛くなる。
更に言えば、舞台がパンクラスでも全日本プロレスでもバトラーツでもなく、第三者の団体・リアルジャパンであるというのも恐ろしい。
鈴木・石川、両者が望んだタイミングで試合が組まれたとは考えにくい。「流れ」の中で実現した師弟対決。
▼田村潔司vs桜庭和志と似た感覚▼
■ リアルジャパンプロレス第16弾興行「CHAOS」 [ スポーツナビ ]


ゴング前、石川は今にも飛びかからん勢いで鈴木を睨み付ける。鈴木は余裕で見下ろす。
寝技では互角の攻防。つかみ合いでも石川が尻込みするような場面はなかった。
ロープ際に追い込まれながらも、石川は延髄蹴りをヒットさせる。
続けてナックルアロー・・・鈴木はかわしてバックからスリーパー。
まだ試合は序盤、のはず。
粘る石川を逆落とし、上からのスリーパーでタップさせる。
[5=セ]シングルマッチ
○鈴木みのる(5分36秒 スリーパーホールド)●石川雄規
5分という試合時間に驚く。
ただ、試合全体を通して緊張感は充満していた。もちろん、これを「名勝負」と呼ぶのは無理がある・・・。
試合後、鈴木は倒れたままの石川を引きずり起こし、ポンポンと背中を叩き退場した。
健闘を称えた・・・とも見えるが、「はいはい終わり、これで納得しただろ」と適当にあしらったようにも見える。
客席から確認する限り、石川の表情は浮かない。
5分という試合時間で「トラウマ」が払拭されたのか。試合の中から答えを探すのは難しい。
最近、これと似た感覚を味わった試合がありました。
「田村潔司vs桜庭和志」ですね。
誰もが納得できる名勝負ではない、でも、どこか素通りできない空気を持つ。
更なる“謎”や“疑問”を残す試合。
ちなみにキャリアでは鈴木が4年先輩だが、年齢は石川が1歳上である。
田村vs桜庭戦の感想でも書きましたが、プロレスは「イイ試合」か「ダメな試合」かを判断することだけが楽しみ方ではないと思います。
それこそ、週プロで「5点」と採点された内容でも、「なんだか分からない」試合をアレコレ語るのが一番面白いもの。
鈴木vs石川もこのタイプか。
▼心のどこかで分かり合えてる気がする。そんな戦いでした▼
試合後のコメントを読む。
■ 鈴木みのるvs石川雄規 スポーツナビ ]
■ 鈴木みのる:試合後コメント
まぁ俺はそれなりに楽し>
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<コメント>
素晴らしい特集をありがとうございます。全く同感です
。
KENTA-中嶋戦とか最近のドラゲーとか確かにホント凄いんですけど、どこまでやるの?って思います。中嶋なんて今後のプロレス界をずっと背負っていく選手なので、考えてほしいです。
こういう人間模様があるから、プロレスは長いこと観たもの勝ちですよね。週プロの記者より私の方が長いこと見てますし、あの採点にはよくハァ?って感じます。
投稿者:健タロー
>健タローさん
素晴らしい特集になっているかは分かりませんが、そう言って貰えると嬉しいです。ありがとうございます。
週プロ採点で10点を目指すスタイルも否定はしませんが、複雑な技・危険な技が増える一方で、もうちょっとシンプルにしてもいいのになぁーと思うことはありますね。
>プロレスは長いこと観たもの勝ちですよね
まったくその通り。
投稿者:杉
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